クロムモリブデン鋼(クロムモリブデンこう: 英: chromium molybdenum steel、CRMO)は、鉄に極僅かのクロム、モリブデン等を添加した低合金鋼の一種である。略してクロモリ(英: chromoly)とも呼ばれる。

クロムモリブデン鋼は非常に優れた強度重量比を有しており、溶接が容易で、標準の機械構造用炭素鋼 (ASTM 1020、JIS S20C) と比較してかなりの強度と硬度を有している。クロムモリブデン鋼はクロムを含んではいるが、ステンレス鋼に見られる腐食耐性を持つには十分な量ではない。

クロムモリブデン鋼 (SAE 4130) の応用例としては、構造管、自転車フレーム、銃のレシーバー、クラッチ及びフライホイールの部品、ロールケージなどである。

JISによる分類

クロムモリブデン鋼の識別は先立つ記号「SCM」で行う。

JIS G4053 機械構造用合金鋼鋼材

  • SCM 415
  • SCM 418
  • SCM 420
  • SCM 421
  • SCM 425
  • SCM 430
  • SCM 432
  • SCM 435
  • SCM 440
  • SCM 445
  • SCM 822

JIS G4052 焼入性を保証した構造用鋼鋼材(H鋼)

  • SCM 415H
  • SCM 418H
  • SCM 420H
  • SCM 430H
  • SCM 435H
  • SCM 440H
  • SCM 445H
  • SCM 822H

JIS G3441 機械構造用合金鋼鋼管

  • SCM 415TK
  • SCM 418TK
  • SCM 420TK
  • SCM 430TK
  • SCM 435TK
  • SCM 440TK

JIS G3509-1 冷間圧造用合金鋼-第1部 線材

  • SCM 415RCH
  • SCM 415HRCH
  • SCM 418RCH
  • SCM 418HRCH
  • SCM 420RCH
  • SCM 420HRCH
  • SCM 425RCH
  • SCM 425HRCH
  • SCM 430RCH
  • SCM 435RCH
  • SCM 435HRCH
  • SCM 440RCH
  • SCM 440HRCH
  • SCM 445RCH
  • SCM 445HRCH
  • SCM 822RCH
  • SCM 822HRCH

米国SAEによる分類

その他の特性

クロムモリブデン鋼の重要な特性の一つは、表面の浸炭により表面硬化することである。材料の核はバルク特性を保持するが、外側は顕著に硬化し摩耗や裂けを減らすことができる。この特性によりクロムモリブデン鋼は、歯車やピストンピン、クランクシャフトに非常に適した材料である。

脚注


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