キオン(黄苑、学名:Senecio nemorensis L.)、キク科キオン属に分類される多年草。別名が、ヒゴオミナエシ。種小名の「nemorensis」は、「森林生の」を意味する。名前の似ているシオン(紫苑)とは同科別属。和名は、紫苑に対して、花が黄色であることに由来する。
分布
ユーラシア大陸のヨーロッパ、シベリア、中国、朝鮮半島から日本にかけての温帯域に生育する。基準標本は、ドイツとシベリアのもの。
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布する。山地から亜高山帯にかけてのやや日当たりのよい草地に生育する。
特徴
地下茎は短く、茎の高さ50–100 cm。散房状花序に多数の小さく鮮やかな黄色の花をつける。頭花は直径約2 cm花、10個前後の管状花とその周囲の5個の舌状花からなる。 花期は8–9月。葉は互生し、縁には不揃いの鋸歯があり、分裂しない。
同属のハンゴンソウに似るが、ハンゴンソウは葉が三裂することで判別できる。
脚注
参考文献
- 佐竹, 義輔、大井, 次三郎、北村, 四郎 ほか 編『日本の野生植物 離合弁花類』平凡社〈草本III〉、1981年10月。ASIN B000J7UPCC。
- 清水建美、門田裕一、木原浩『高山に咲く花』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑8〉、2014年3月22日。ISBN 978-4635070300。
- 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月。ISBN 4-635-09019-1。
- 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 978-4635090421。
- 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑』北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE。 NCID BN00811290。全国書誌番号:85032603。https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728467。
外部リンク
- キオンの標本(山形県月山で1948年8月17日に採集) (千葉大学附属図書館)
- 日本のレッドデータ検索システム「キオン」 (エンビジョン環境保全事務局)
- Senecio nemorensis L. (The Plant List)(英語)




