レズギ語(Lezgian、Lezgi、Lezgin)は、コーカサス諸語に属する言語である。話者はダゲスタン共和国南部やアゼルバイジャン北部に居住するレズギ人である。
音韻論
母音
- /a/ には主要な2つの異音である [ɑ] と [ʌ] が存在する。前者は閉音節(とりわけ口蓋垂音と /r/ の直前)に頻出する。一方、後者は開音節に頻出する。
- /a/ は唇音の直後で円唇化されることが非常に多く、これで唇音がその唇音性を失う場合もある。
- /e/ は強勢のある音節においてより広い[ɛ]となる。
- 「母音 /n/」の組み合わせの後に母音が続かない場合、 /n/ が脱落してその直前の母音が鼻音化されることがある。 従って、 /zun/ ('私、我') は [zũ] と発音され得る。
- このほか、ロシア語由来の単語にо[o], ы[ɨ]も出現しうる。
子音
レズギ語には54の子音がある。
文字
19世紀よりアラビア文字を用いて表記していた。また右の図に示したキリル文字を用いた表記方法がピョートル・ウスラル(П. К. Услар)により考案された。1928年にはソビエト連邦政府によりローマ字による正書法が定められた。その後1938年にキリル文字を用いた現行の正書法に移行した。
脚注
参考文献
- Chitoran, Ioanna; Babaliyeva, Ayten (2007), “An acoustic description of high vowel syncope in Lezgian”, Proceedings of the 16th International Congress of Phonetic Sciences, pp. 2153–2156 [1]
- Haspelmath, Martin. 1993. A grammar of Lezgian. (Mouton grammar library; 9). Berlin & New York: Mouton de Gruyter. – ISBN 3-11-013735-6
- Talibov, Bukar B. and Magomed M. Gadžiev. 1966. Lezginsko-russkij slovar’. Moskva: Izd. Sovetskaja Ėnciklopedija.
外部リンク
- Appendix:Cyrillic script
- Notes on the Lezgi language
- the Lezgi language
- Languages of the World report




