三菱・4J1型エンジンは三菱自動車工業が開発し、三菱自動車工業、および中華汽車が2011年9月から2024年4月まで製造していた直列4気筒エンジンの型式。
概要
燃費と環境技術の更なる向上、軽量化を目的に、開発当初は日本国内市場における4B1型エンジンの後継として開発されていた。 MIVEC機構はバルブリフト量、開弁期間、開弁タイミングを単一の機構で機械的に連動する構造に変更したことでSOHC化が可能になり、フリクションロスと部品点数を削減した結果、既存の4B1型に対し低重心・軽量・コンパクトなエンジンになっている。スパークプラグはイリジウムプラグ標準装着であり従来どおり気筒数と同じ数で点火させるため整備上、他社のエンジンと変わることはない。 尚、バルブの開閉タイミングとリフト量の両方が可変可能なタイプはSOHCの量産エンジンとしては初で、エンジン内部の摩擦損失を減らすためにピストン、コンロッド、クランクシャフトも一新している。
このエンジンの製造に関しては当初、滋賀県湖南市にあるパワートレイン製作所滋賀工場で行われていたが後に台湾の中華汽車でも製造が開始された。なお、このエンジンは登場当初は日本国内市場専用のエンジンとなっていたが、2017年2月に発表・発売された台湾市場向け専用車種のグランドランサー、および2019 - 2022年モデルの欧州市場向け車種のASX(日本名:3代目RVR)にも順次搭載された。
2024年春、RVR日本仕様、およびグランドランサーの生産終了に合わせる形で4J1型エンジンは名実共に製造終了となり、事実上、同社から動弁機構にSOHCを用いた乗用車専用ガソリンエンジンは姿を消すこととなった。
諸性能
4J10
ボアよりもストローク(行程)が短いショートストロークエンジンである。 ベースとなった4B10と比べると圧縮比が若干異なる以外はカタログ上の出力に変化はないが燃費面などは向上している。
搭載車両
- 2011年 – 2015年 三菱・ギャランフォルティス
- 2011年 – 2024年 三菱・RVR
- 2017年 – 2024年 三菱・グランドランサー
4J11
ボアとストロークの長さが同じスクエアストロークエンジンである。 ベースとなった4B11と比べると圧縮比が若干異なる以外は燃費面などは向上している。
搭載車両
- 2011年 – 2019年 三菱・デリカD:5(FF車のみ)
- 2012年 – 2021年 三菱・アウトランダー(FF車のみ)
- 2019年 – 2022年 三菱・ASX
4J12
ボアよりもストロークが長いロングストロークエンジンである。 前身の4B12と比べると圧縮比が若干異なる以外はカタログ上の出力に殆ど変化はないが燃費面などは向上している。
搭載車両
- 2012年 – 三菱・アウトランダー
関連項目
- ワールドエンジン
- 三菱・4B1型エンジン
- 現代自動車 - ヒュンダイ・シータエンジン
- ダイムラー
- クライスラー
- 三菱・4G63
脚注
外部サイト
- クルマの技術|技術ライブラリー|MIVEC(三菱自動車工業)




