この記事では言語を現存する最古の書記記録の年代順にリストする。記録は完全な文を含むもののみを認める。未解読文字は記録として認めずリストに含まない。また単なる単語あるいは人名などが記録されていたとしてもその言語の記録としては認めない。
ある書記記録は口頭伝承の反映や失われた古い記録の複製などによってその言語のさらに昔の段階を表していることがあるが、ここでは現存する記録の年代のみを扱う。例として古事記に記載される内容はさらに古い書物の内容(旧辞、帝紀)を含んでいる可能性があるが、日本語が最初に記録された年代としては現存する最古の資料である古事記の成立時期(712年)を採用する。
ある古い言語から派生した新しい言語が最初に記録された時期は慣習的な時代区分によって決定する。例えば古フランス語はラテン語から派生したがその変化は連続的であり、特定の年代を決めることは困難であるため、慣習的に842年のストラスブールの誓いを古フランス語の最古の記録と定める。同様にデンマーク語とスウェーデン語は共に12世紀に古東ノルド語から派生したとし、ノルウェー語は1300年前後に古西ノルド語から成立したとする。
紀元前1000年以前
言語の書記は紀元前3000年頃メソポタミア地方で始まる。前1200年のカタストロフ以前に記録されている言語は少数であり、アルファベットの成立に先行する。以下はこの時代に記録された主な言語である。
- 孤立した言語であるシュメール語、フルリ語、ハッティ語、エラム語。
- アフロ・アジア語族の古代エジプト語。
- インド・ヨーロッパ語族のアナトリア語派・ミケーネ・ギリシャ語。
- シナ・チベット語族 の上古漢語。
またその他にも青銅器時代の未解読文字がいくつか存在する。
- エラム語の記録とされる en:Proto-Elamite scriptとen:Linear Elamite。
- インダス文字 ( "ハラッパ語"の記録という主張がある。)
- クレタ聖刻文字と線文字A ("ミノア語"を記している可能性がある。)
- 音節文字であるキュプロ・ミノア文字(線文字C)。
紀元前1000-1年
en:Serabit el-Khadimに記された紀元前1500年頃 の最古のアルファベット銘文は北西セム語の記録だとされる。前期鉄器時代、アルファベットの書記体系は近東・南ヨーロッパに広がった。またブラーフミー系文字の成立によってインドの言語が紀元前300年頃より記録されている。中央アメリカの地峡文字の成立は紀元前500年頃とされるがその解読にはまだ議論が残る。.
AD 1-1000年
古代末期より、最古の言語記録として碑文だけでなく写本によるものも見られるようになる。例として古典アルメニア語の最初の記録はアルメニア語訳聖書である。
AD 1000–1500年
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AD 1500年以降
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語族ごと
主要な語族ごとの記録をまとめる:
- アフロ・アジア語族: 紀元前27世紀頃
- 紀元前27世紀: エジプト語
- 紀元前24世紀: セム語派 (エブラ語、アッカド語)
- 紀元前16世紀: 西方セム語 (カナン語)
- 紀元後7世紀: クシ語派 (ベジャ語)
- フルリ・ウラルトゥ語族:紀元前21世紀頃
- インド・ヨーロッパ語族: 紀元前17世紀
- 紀元前17世紀: アナトリア語派: ヒッタイト語
- 紀元前15-14世紀: ギリシャ語
- 紀元前7世紀: イタリック語派
- 紀元前6世紀: ケルト語派
- 紀元前6世紀: インド・イラン語派
- 紀元後2世紀: ゲルマン語派
- 紀元後9世紀: バルト・スラヴ語派
- シナ・チベット語族: 紀元前12世紀頃
- 紀元前1200年頃: 上古漢語
- 紀元後7世紀: チベット・ビルマ語派 (チベット語)
- ドラヴィダ語族: 紀元前200年頃
- マヤ語族: 紀元後3世紀
- オーストロネシア語族: 紀元後4世紀
- 南コーカサス語族: 紀元後5世紀(グルジア語)
- 北東コーカサス語族: 紀元後7世紀 (Udi)
- オーストロアジア語族: 紀元後7世紀(クメール語)
- テュルク語族: 紀元後8世紀 (古テュルク語)
- 日琉語族: 紀元後8世紀
- ナイル・サハラ語族: 紀元後8世紀(古ヌビア語)
- バスク語: 紀元後10世紀
- ウラル語族: 紀元後11世紀
- 紀元後12世紀: ウゴル語派 (ハンガリー語)
- 紀元後13世紀: フィン語派
- モンゴル語族: 紀元後13世紀( おそらく関連がある契丹語: 紀元後10世紀)
- タイ・カダイ語族: 紀元後13世紀
- ユト・アステカ語族: 紀元後16世紀
- ケチュア語族: 紀元後16世紀
- ニジェール・コンゴ語族 (バントゥー諸語): 紀元後16世紀
- 北西コーカサス語族: 紀元後17世紀(アブハズ語, アディゲ語, ウビフ語)
- オーストラリア諸語: 紀元後18世紀
- イロコイ語族: 紀元後19世紀
- ミャオ・ヤオ語族: 紀元後20世紀
- パプア諸語: 紀元後20世紀
人工言語
関連項目
- 文字の歴史
- 文字体系の一覧
- 未解読文字
脚注
出典
- Notes
- Works cited
- Bagley, Robert (1999), “Shang Archaeology”, in Loewe, Michael; Shaughnessy, Edward L., The Cambridge History of Ancient China, Cambridge: Cambridge University Press, pp. 124–231, ISBN 978-0-521-47030-8.[[The Cambridge History of Ancient China]]([[:en:The Cambridge History of Ancient China|英語版]])&rft.aulast=Bagley&rft.aufirst=Robert&rft.au=Bagley, Robert&rft.date=1999&rft.pages=pp. 124–231&rft.place=Cambridge&rft.pub=Cambridge University Press&rft.isbn=978-0-521-47030-8&rfr_id=info:sid/ja.wikipedia.org:最初の書記記録が古い順の言語リスト">
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